Th105/Patchouli's Endings

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 夏の紅魔館@

 湖の畔にある悪魔の館。@

 紅魔館一帯は深い霧に包まれ、気温が上がらない夏となった。

 

 彼女が戻ってきてから数日が経った今も天候の異常は未だ戻っていない。@

 あの鬼を倒しただけでは不十分だったのだろうか。@

 それとも、本当はこれも自然の出来事なのだろうか。

 

パチェ「……これだ……@     これがあの時、龍宮の使いが言っていた事……」

 

 彼女が手にした本には、地震の宏観前兆、即ち地震の前に起こると

 されている不思議な現象がいくつか書かれていた。

 『ナマズが暴れる』『魚が陸に揚がる』とかそんな事である。

 

パチェ「『異常な色の雲が見られる事が多い』@

    『リュウグウノツカイが現れる』@

    なるほどね……」

 

パチェ「後は、何故生き物の気質が吸い上げられるのか……。@     どう考えても誰かがやっているとしか思えないのだけど」

 

咲夜 「パチュリー様。@     ご無事でしたか!?」

 

パチェ「どうしたの? そんなに慌てて」@

咲夜 「いえ、どうやら私が留守にしていた間に大地震があったって

    聞きまして」

 

パチェ「……大…地震……?」@

咲夜 「神社が倒壊してました。

    紅魔館では今のところ確認が取れている被害は有りませんが」

 

パチェ「全く気が付かなかったわ。@

    そんな事って有るのかしら?」@

咲夜 「相当集中していたのですね……何を調べているのですか?」

 

パチェ「あ、いや。地震の事を少しね」@

咲夜 「はい? 地震は気が付かなかったってさっき……」@

パチェ「いやまぁ、偶然、きっと偶然」

 

 パチュリーは先の戦いで聞いたある台詞が頭から離れなかった。

 『例えば神社が壊れたりしてからでも遅くは無いんじゃない?』

 彼女は犯人を勘違いしていた事を確信した。

 

 だとすると、あの鬼は何故天界に居たのだろうか。

 どうにも腑に落ちなかった彼女は、咲夜にこう命令した。

 『あの巫女を雲の上に向かわせなさい』と。