Th105/Yuyuko's Endings

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 夏の白玉楼@

 毎日降り続ける雪は、次第に地面を冷やし積もっていった。@

 地面が雪で覆われてしまうと、とたんに辺りの気温は下がった。

 

 白玉楼一帯だけ、夏の面影が失われていた。@

 白い冥界。

 雪の静寂は見事に冥界の全てを表現していた。

 

幽々子「妖夢〜     火鉢を持ってきて〜」

 

妖夢 「そうですねぇ……@

    一応夏なので暖房器具は出すまいと思っていたのですが……@

    この寒さでは仕方がないですねぇ」

 

幽々子「体を壊さない方が大切よ」@

妖夢 「そうです、かな」@

幽々子「私は体を持っていないけど」

 

妖夢 「でも、何なんでしょう?

    この天気は……」@

幽々子「あら、妖夢には判らないのね」

 

幽々子「天気だって気の一つ。@

    生き物の気質の現れが幽霊だとしたら、

    天気は天の気質」

 

妖夢 「はあ」@

幽々子「貴方はこの天気の事を調べたいと思ってそうね」@

妖夢 「ええまぁ」

 

幽々子「調べる必要はないです。@

    貴方がこの雪を愉しむ事が出来るまで」@

妖夢 「そうなんですか……」

 

 もうすぐ、誰かが天気の異変に気付き動き始める頃だろう。

 あの天人が何をしたかったのかは幽々子には判らないが、

 こんな面白い事を残してくれた事に感謝した。

 

 非想天――

 則ち天の頂きに有る、無意識の世界。

 しかしそこにいる者もまた、不完全な者であった。