Th155/Tenshi's Endings

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──輝針城。\.

空中に浮いた逆さのお城である。\.

幻想郷きっての景勝地だ。

 

天子 「天界ほどでは無いが、

    このお城の眺めも最高だな。\.

    この城の城主になろうかな」

 

針妙丸「またまたご冗談を。\.

    ここは自分の城です。\.

    城主は譲れませんよ」

 

天子 「冗談冗談。\.

    元々地上は全て天人の支配下なんだから、\.

    好き好んで城主になんかならないって」

 

天子 「ところで、あんたは\.

    夢の世界の針妙丸ってのは本当なの?」\.

針妙丸「いやー、どうですかねぇ」

 

針妙丸「正直、自分にもどっちだったか

    判らなくなってまして。\.     よくよく考えたら、夢の世界だろうと

    現の世界だろうと、意識は共通ですし」

 

針妙丸「ずっと現にいればそれが現実。\.

    ずっと夢にいればそれも夢。\.     両方とも針妙丸である事は

    変わりないようで」

 

天子 「うーん、なんか気持ち悪いわねぇ。\.

    よく地上の奴らはそんな曖昧な自己の中、\.     自我を保てるわねぇ」\.

針妙丸「天人様は夢を見ないのですかい?」

 

天子 「夢くらいは見るわよ。寝ても覚めても」\.

針妙丸「だとしたら、地上の者と     何にも変わりないですよ。\.

    きっと、夢の天人様も存在しますよ」

 

天子 「えー、そうかなー。\.

    夢なんて、意識の中にしか

    存在しないと思うけどなぁ」

 

下らない理由で天界を一時追放された天人は、

地上での生活を謳歌していた。\. やがて天子と針妙丸のコンビは、

最強の二人と噂されるようになった。

 

地上追放が天子にとって

罰になっていたように思えないが、\.

天界ではしばらくの間平穏な日が続いたという。