Th175/Joon and Shion's Endings

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旧血の池地獄。

 

旧地獄の中でもずば抜けて気味悪く、地獄機能が移転してから その存在は記憶からも封印されていた。

 

地底に棲む者達は、旧血の池地獄の存在を完全に抹消していた。

 

女苑「消えた……。    やっつけた手応えはないんだけど」

 

紫苑「逃げたのかな。    不気味な奴だったねぇ」

 

女苑「さてと、これで私達の石油になったわけだけど、

   結構不気味ねぇ。

   どうする?」

 

紫苑「うーん、呪われた血液……。

   さっきは勢いに任せて欲しいなんて言っちゃったけど

   やっぱりちょっとドン引きだなぁ」

 

女苑「でも外の世界でも使っているんだから、

   自分の物にしておいてから、様子見すれば良いんじゃない?

   慌てなくても、ライバルは倒したし」

 

??「クックック……。    石油は一滴たりとも渡さんぞ」

 

紫苑「え?」

 

饕餮「美味しかったぜ。    お前達の飽く無き欲望」

 

女苑「まだ生きていたのか」

 

饕餮「お前達、私と戦っているつもりだったのか?    滑稽な奴らだ」

 

女苑「なんだと?」

 

饕餮「お前達が戦いだと思っていたのは、私から見るとただの食事だ。

   まだまだ腹が減っているなぁ。

   もう一席やるかー?」

 

紫苑「こいつ……ヤバイよ。    本気で言ってるのが怖い」

 

紫苑「疲れている様子もないし、本当に何かパワーを

   食われたような気もする。

   どうやら正攻法では勝ち目がないかも」

 

女苑「ふ、ふん。     一旦帰って、仕切り直しよ!」

 

饕餮「クックック……。    お前達の強欲は食い尽くしたぜ」

 

石油の正体を知って嫌悪感を覚えたのか、 それとも本当に饕餮に食われたのか、

 

紫苑と女苑は当初の強欲さを失っていた。

 

しかし、地上へ戻った後二人はすぐに強欲さを取り戻した。

 

石油を持っているフリをするだけでも、お金を生み出せるのではないか。

 

石油を担保に金を借りたり、人を騙して金を奪えるのでは無いか。

 

あれこれ考え、実際に行動にも移した。

 

石油のお陰で二人はいきいきとしていたのであった。

 

饕餮と血の池地獄の事は記憶から抹消することにした。

 

それともう一つ、不思議な場所へワープさせられたことも忘れて……。