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8 普段人が入ることのない山奥に、突如として現れる鈴蘭の丘。
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10 ここに咲く鈴蘭の花は、野生の鈴蘭より遙かに毒性が高い。
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12 それは、ここに住み着く者の仕業だとされているが……
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15 メディ「コンパロ、コンパロ、毒よ集まれー」
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18 永琳 「何やってるのかしら?」
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20 メディ「毒を操る時の呪文よ」
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23 鈴仙 「一人の時もこんな感じなのかな……」
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26 永琳 「うむ。
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28 確かにここの鈴蘭は凄いね。
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30 こんな所に長時間いたら、
うっかり呪文でも使ってしまいそう……」
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34 鈴仙 「そうですよね。
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36 余り長時間居ない方が良いかもしれません。
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38 この人形は、毒を自在に操るのです」
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41 メディ「あら、今日は攻撃しないわ。
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43 毒も少しだったら分けてあげる」
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46 永琳 「ふーん。
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48 鈴仙が言ってた様な凶暴性は見られないけど?」
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51 鈴仙 「いや、騙されてはいけません。
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53 この間は出会い頭毒を浴びせられたんですから」
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55 メディ「だから、今日は機嫌が良いの。
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57 毒だって、言われれば二人を避けるようにしてもいいわ」
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59 鈴仙 「怪しい……」
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62 永琳 「何言ってるの鈴仙。
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64 こんな可愛いお人形を疑うなんて……」
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66 永琳 「そりゃ毒を使ったり、自分で動いたりと怪しいのは
怪しいけど…… 中身は単純そうだしね」
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69 メディ「鈴蘭だけでなく、私の毒コレクションを分けても
いいわよ?」
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72 メディ「ベラドンナ、トリカブト、それにー彼岸花も」
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75 鈴仙 「師匠、この顔に騙されちゃ駄目です!
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77 やっぱり怪しい!」
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79 彼女は、人形解放を諦めたわけではない。
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81 だが、まだその時ではないと思っただけだ。
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83 もっと自分の味方を作る必要がある。その為には、まず鈴蘭の丘の
外の世界をよく知らないといけない。
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86 ただ、味方を作るのは、毒薬を作るのとは異なり、相手が居る。
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88 つまり、相手の心を掴む必要があるのだ。
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90 彼女はまだその辺の社交術は勉強中である。だが、物や見た目だけ
では本当の味方は得られないと言うことは感づいていた。
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93 一番重要なのは、相手の心の痛みを自分でも感じられる様になる事。
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95 引きこもっているときには学びようのない事で、彼女は少し戸惑い
つつも、これから人前に出ていこうと思っている。
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98 Congratulations! Ending No.12
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