Th09/Eiki's Endings

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Eiki's ending

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8 博麗神社。幻想郷の境に存在している。

10 桜の花も殆ど散り、ようやく春は終わりを迎えようとしていた。

12 春が長かった分、すぐに暑い季節となるだろう。

16霊夢 「ふう、すっかり桜も散って暑くなってきたわね」

19魔理沙「仕事サボってばっかだな?

21    本当に掃除する気あるのか?」

24霊夢 「休憩が大切だって言ってるじゃないの」

27魔理沙「とにかく、あれだけ咲いていた花も過ぎてみれば嘘みたい     に感じるな」

31霊夢 「自分が痛い目に遭わない異変はすぐに忘れてしまうのよ」

34魔理沙「そういうもんかな」

37霊夢 「花が咲いた程度では、散ってしまえば何も残らない。

39    物が残らなければ記憶にだって残らないのよ」

42魔理沙「そうか? 記憶には残りそうだが」

46四季 「記憶だって物なのです。

48    物が消えていくのと同時に、記憶も消えていく」

51霊夢 「あら、お久しぶりね」

54魔理沙「誰だっけ?」

57四季 「六十年目の浄化で物も記憶も一巡するでしょう。

59    記憶だってたまに浄化しないといけませんよ?」

62魔理沙「たまに、ってなぁ。

64    六十年は長いぜ。一生に一度しか来ないだろうよ」

67霊夢 「あらあんたは長生きしそうだけどね。あと六十年位」

70魔理沙「人を化け物みたいに言うな」

73四季 「人間の歴史の場合は、六十歳で一回りなのです。

75    ですから、貴方達も六十まで生きれば、

77    自分の記憶が浄化され、生まれ変わるでしょう。

79    六十まで生きればの話ですが」

82霊夢 「まあいいや。

84    きっと夏が終える頃にはこの花の異変も忘れてそうね。

86    結局、自分で解決した異変じゃないと忘れちゃうのよね」

89魔理沙「それはあるな」

92四季 「きっと六十年後にもう一度思い出すでしょう。

94    それまで、私の教えを守り続けるのです」

97霊夢 「えー、六十年もー?」

100四季 「何を言ってるんですか、死ぬまで、いや死んでも、     ですよ」

104魔理沙「人生修行だな。そもそも霊夢は修行が足りないんだよ。

106    私が修行付けてやろうか?」

108 幻想郷の花は散り、新緑が美しい季節へと歩み始めた。

110 花の狂い咲きも一瞬の事だった様に思える。

112 六十年の度にこういう事が一度起こるのなら、妖怪達はみんな  覚えていても良いような気がするが、

115 あまりの平穏さに、夏を待たずして忘れてしまいそうだ。

117 なるほど、これなら六十年も覚えているはずが無い。

119 六十年経っても忘れられない記憶なんて無いのかも知れない。

121 それは自然が六十年で元に戻るのと同じように、

123 人間に記憶も六十年で元に戻るのである。

125 六十年で歴史に幕を閉じ、

127 そして新しい六十年を歩み始める。

129 歴史が繰り返されると言うのなら、六十年前も生きていた妖怪に  六十年前はどうだったのか聞けば運命が判るだろう。

132 後はその六十年とどう向き合っていくか、だけなのだ。

134  Congratulations! Ending No.14