Th123/Sanae's Endings
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――幻想郷の境界にある博麗神社。¥ 夏の暑さが神社の緑と黒のコントラストを高めている。@ 蝉が鳴かなければ現実感を失い、思考を停止させていただろう。@ 何も考えない事、無機物には容易いが、人間には難しい。 |
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魔理沙「おーい、この新聞見たか?」@ 霊夢 「今見てる。 山空大将棋第四十七日目って」 |
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魔理沙「ああ、そんな勝負付かない将棋見たってしょうがないぜ。 この間も千日手になってるのに気付かず何日も繰返してたしな。@ そこじゃなくてこれだよ、この記事」 |
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霊夢 「未来水妖バザー、 河童による発明品から尻子玉まで、秘蔵品を安価で大放出」@ 魔理沙「なんか面白そうじゃないか。行ってみないか? 掘り出し物が見つかるかも知れないぜ」 |
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霊夢 「どうかなー。 河童の発明品って生臭そうだし」@ 魔理沙「そんな事は無いがな」 |
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霊夢 「それに何のアピールなのかしら? 急にバザーなんて始めたりして」 |
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魔理沙「資金不足なんじゃないか?@ 核融合炉の維持費で」 |
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霊夢 「それなら良いんだけどねぇ。@ あ、巨大人形の事が書かれているわ」 |
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魔理沙「どれどれ。@ 『ついに巨大妖怪型自動操作人形 非想天則、見参』 『非想天則は遠くから見えるので、それを目指して来場すると良いだろう』」 |
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霊夢 「売り物じゃないのかな」@ 魔理沙「買うつもりなのか?@ 記事を見た感じただの目印らしいが」 |
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霊夢 「試験中見てたけど、結構リアルな動きだったわよ?@ どうやって動かしているのかな」 |
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魔理沙「さあな。 糸で操るには大きすぎるが……」@ 霊夢 「いいなぁ……」 |
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――新しく山の上に存在することとなった神社。守矢神社。@ 山の上は夏でも涼しく、麓の苦悩を嘲笑っているかのようだった。@ ここには二柱の神と一人の……神が居た。 |
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諏訪子「……非想天則はさ、ただの河童のアドバルーンなのよ。@ でもリアルな動きでしょう?」@ 早苗 「無駄なリアルさですよ。 私はてっきり巨大なロボットかと」 |
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神奈子「ふーん。そんなの作ってたんだねぇ。@ 私に任してくれればもっと実用的な物を設計したのに」 |
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諏訪子「私は、実用かどうかより、何も思考しない方が動きがリアル って事だけを考えて作るように言ったんだ。@ 河童の設計も見事だよ。見事に中身が空っぽだし」 |
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早苗 「何にも思考しない? それにどういう意味が……」@ 神奈子「なるほど。 勝手に自我を持たれたら困ると」 |
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諏訪子「そう、あんなでかいもん付喪神になられたら困るでしょう?@ 意味のある動きを繰返すとそこに思考が生まれる、 それがいずれ付喪神になってしまう。@ だから、何も考えない人形を作る必要があった」 |
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早苗 「そう言うことですか。@ でもどうやってあのリアルな動きを再現したのですか?」 |
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諏訪子「勿論、核の力だね」@ 早苗 「核って何でもありなんですか?@ いまいち、核の力が何なのか判ってないんですよねぇ」 |
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神奈子「核の力は実は光に過ぎないよ。 だた、その光量が余りにも膨大なだけ。@ 巨大人形を動かすのは結局、何か別のエネルギーに変えているんでしょ? 熱とか電気とか……」 |
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諏訪子「あれはねー。@ 間欠泉の蒸気を利用して動いているだけだよ。@ 蒸気の勢いが増せば腕が上がり、収まればうなだれる」 |
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早苗 「それってただの……」@ 神奈子「気球みたいなもんね」@ 諏訪子「見事なまでに、空っぽでしょ? 非想天則」 |
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早苗 「私はてっきり、巨大なロボと戦うハメになるのかと」@ 諏訪子「早苗の場合は、戦うんじゃなくて乗りたかった、でしょ?」@ 早苗 「い、良いじゃないですか。 巨大人型ロボは人類の夢ですよ」 |
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神奈子「人間を集める為の人形。 幻想郷の妖怪だってきっと気になってるかもね。@ 河童は商売上手ねぇ」@ 諏訪子「私が指示したんだけどね」 |