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旧血の池地獄。
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旧地獄の中でもずば抜けて気味悪く、地獄機能が移転してから
その存在は記憶からも封印されていた。
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地底に棲む者達は、旧血の池地獄の存在を完全に抹消していた。
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女苑「消えた……。
やっつけた手応えはないんだけど」
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紫苑「逃げたのかな。
不気味な奴だったねぇ」
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女苑「さてと、これで私達の石油になったわけだけど、
結構不気味ねぇ。
どうする?」
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紫苑「うーん、呪われた血液……。
さっきは勢いに任せて欲しいなんて言っちゃったけど
やっぱりちょっとドン引きだなぁ」
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女苑「でも外の世界でも使っているんだから、
自分の物にしておいてから、様子見すれば良いんじゃない?
慌てなくても、ライバルは倒したし」
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??「クックック……。
石油は一滴たりとも渡さんぞ」
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紫苑「え?」
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饕餮「美味しかったぜ。
お前達の飽く無き欲望」
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女苑「まだ生きていたのか」
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饕餮「お前達、私と戦っているつもりだったのか?
滑稽な奴らだ」
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女苑「なんだと?」
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饕餮「お前達が戦いだと思っていたのは、私から見るとただの食事だ。
まだまだ腹が減っているなぁ。
もう一席やるかー?」
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紫苑「こいつ……ヤバイよ。
本気で言ってるのが怖い」
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紫苑「疲れている様子もないし、本当に何かパワーを
食われたような気もする。
どうやら正攻法では勝ち目がないかも」
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女苑「ふ、ふん。
一旦帰って、仕切り直しよ!」
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饕餮「クックック……。
お前達の強欲は食い尽くしたぜ」
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石油の正体を知って嫌悪感を覚えたのか、
それとも本当に饕餮に食われたのか、
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紫苑と女苑は当初の強欲さを失っていた。
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しかし、地上へ戻った後二人はすぐに強欲さを取り戻した。
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石油を持っているフリをするだけでも、お金を生み出せるのではないか。
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石油を担保に金を借りたり、人を騙して金を奪えるのでは無いか。
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あれこれ考え、実際に行動にも移した。
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石油のお陰で二人はいきいきとしていたのであった。
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饕餮と血の池地獄の事は記憶から抹消することにした。
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それともう一つ、不思議な場所へワープさせられたことも忘れて……。
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