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#0@0 博麗神社。
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#0@1 幻想郷の東の境に位置する神社である。
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#0@2 境内はすっかり雪に埋もれていた。
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#0@3 地底に潜っていた間に降り積もったのだろう。
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Reimu
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#0@4 「雪かき雪かき雪かきかき……
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#0@5 ちゃんと歩けるようにしておかないとね。
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#0@6 もうすぐ年が明けるから参拝客だって来るはずだし」
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Reimu
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#0@7 「……
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#0@8 参拝客だって来てくれるはずだし。
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#0@9 雪の中だって……」
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Reimu
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#0@10 「うーむ。
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#0@11 地底の鴉は八咫烏の力を飲み込んでいたのね。
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#0@12 あの位強い神様なら信仰も集まりそうだけど……
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#0@13 やっぱりうちの神社の神様も何か判りやすい御利益が
欲しいわね」
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Yukari
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#0@14 「ハロー」
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Reimu
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#0@15 「何よ、気持ち悪い」
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Yukari
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#0@16 「猫捕まえたよ」
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Reimu
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#0@17 「肉食の獣は美味しくないわよ」
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Yukari
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#0@18 「あらこの猫、見覚えがない?」
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Reimu
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#0@19 「うん?
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#0@20 あれ?もしかしてその猫……」
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Yukari
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#0@21 「そう、貴方が灼熱地獄跡で戦ったあの猫」
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Reimu
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#0@22 「どうしたの? って紫、あれから地下に潜ったの?」
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Yukari
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#0@23 「間欠泉の近くで見つけたのよー。
どういう意味か判る?」
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Reimu
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#0@24 「判らない」
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Yukari
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#0@25 「鈍いわねぇ。
突然間欠泉が湧いた原因は、あの鴉が暴走していたから。
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#0@26 でも、湧いて出てきた怨霊は誰の仕業?」
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Reimu
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#0@27 「その猫なの?」
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Yukari
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#0@28 「そうよ。そうに決まってるわ」
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Reimu
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#0@29 「ふーん。あんたはいつも唐突に物を言うのね。
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#0@30 よく判らないけど、じゃあその猫を退治すれば万事解決?」
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Yukari
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#0@31 「そういうことよ。
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#0@32 そこで、霊夢」
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Yukari
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#0@33 「貴方ならどう退治する?」
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Reimu
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#0@34 「美味しくないからなー」
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Yukari
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#0@35 「そんなんだから神社に参拝客が来ないのよ。
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#0@36 神社で飼って客寄せしてみたら?」
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Reimu
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#0@37 「それって、人が集まっても参拝に来たって言えるのかな」
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#0@38 間欠泉の近くで捕まえられた猫――お燐は、監視も兼ねて
神社で飼われる事となった。
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#0@39 といっても、さとりのペットでもあるので、地上に来た時に
餌を与える程度だったが。
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#0@40 お燐は、仲間であった地獄鴉の異変を地上の妖怪にそれとなく
知らせる為に間欠泉に怨霊を混ぜたのだという。
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#0@41 悪気は無いと判り、紫も霊夢も特に罰を与える事は無かった。
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#0@42 だが、お燐が地上に現れてから暫くして、人間の死体が失踪
する事件が多発し、妖怪火車の噂が里に広まったのは言うま
でもない。
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#0@43 Ending No.01 地獄の猫
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#0@44 オールクリアおめでとう! 流石だね!
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#0@0 博麗神社。
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#0@1 幻想郷の東の境に位置する神社である。
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#0@2 境内はすっかり雪に埋もれていた。
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#0@3 地底に潜っていた間に降り積もったのだろう。
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Utsuho
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#0@4 「いや、だから前に地上から私の元に降りてきた
神様が居たのよ」
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Reimu
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#0@5 「その神様に力を貰ったって?
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#0@6 わざわざそんな事する神様居るのかなぁ」
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Utsuho
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#0@7 「私も目的は良く判らないわ。
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#0@8 ただ、核融合の力は絶大で有効利用してるけどね」
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Reimu
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#0@9 「その神様の特徴を教えてくれる?」
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Utsuho
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#0@10 「地上の山から下りてきた神様だって言ってたかなー。
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#0@11 何やら山の発展と自分への信仰の為だとか何とか」
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Reimu
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#0@12 「山から下りてきた神様?
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#0@13 うーん、思い当たる節は二人ほどあるけど……」
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Reimu
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#0@14 「ねえどう思う? 萃香」
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Suika
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#0@15 「あん?
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#0@16 気になるんだったら自分で山に登って調べてみなよー」
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Reimu
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#0@17 「ふむ」
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Suika
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#0@18 「私は間欠泉と怨霊の調べがついたからもう満足」
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Reimu
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#0@19 「そういえば、怨霊って何だったの?」
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Utsuho
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#0@20 「そうそう、間欠泉から怨霊が湧いて出てきてたって?
そんな事有り得ないんですけどねぇ」
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Suika
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#0@21 「おや、判らなかったのかい?
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#0@22 怨霊を湧かせた犯人は――
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#0@23 あの猫に決まってるじゃないか」
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Utsuho
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#0@24 「猫ってお燐の事?」
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Suika
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#0@25 「そんな名前だったかねぇ」
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Utsuho
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#0@26 「何でお燐がそんな事を……」
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Reimu
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#0@27 「妖怪だからじゃん?」
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Utsuho
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#0@28 「お燐は明るくて裏表が無くて何か企んだりする猫じゃない」
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Suika
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#0@29 「そりゃあ……理由は地上に何かを知らせたかったんだねぇ。
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#0@30 例えば、友人である地獄の鴉に異変が起きているとかね。
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#0@31 地底の誰が悪い事企んでるのかも判らんから、取り敢えず
地上に助けを求めた、って所じゃない?
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#0@32 くー、泣けないねぇ。馬鹿だねぇ」
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#0@33 間欠泉は空の力の余剰分により湧いてしまう為、間欠泉は止まる
事はなかった。
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#0@34 しかし、霊夢が地底に行った直後から怨霊はピタと湧かなくなっ
たのである。
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#0@35 萃香の推測が正しいかどうかは判らなかったが、霊夢は温泉は止
まらなかったという事に満足し、深くは追求しなかった。
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#0@36 しかし、霊夢には何か釈然としない所があった。
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#0@37 地獄鴉に核融合の力を与えた神とは一体何者なのか。
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#0@38 一体何の為にそんな事をしたのか。
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#0@39 霊夢は、落ち着いたら山に行ってみる事にした。
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#0@40 Ending No.02 温泉に入りたい
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#0@41 オールクリアおめでとう! 流石だね!
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#0@0 博麗神社。
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#0@1 幻想郷の東の境に位置する神社である。
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#0@2 境内はすっかり雪に埋もれていた。
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#0@3 地底に潜っていた間に降り積もったのだろう。
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Aya
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#0@4 「出来ました!
この間の出来事が新聞になりましたよ」
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Reimu
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#0@5 「いらない」
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Aya
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#0@6 「はいどうぞ」
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Reimu
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#0@7 「どれどれ……?
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#0@8 あー? 『博麗神社の巫女、妖怪猫にじゃれつかれる』
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#0@9 『怪奇三本足地獄カラス現る』……???
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#0@10 酷いもんね。この三流妖怪新聞」
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Aya
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#0@11 「いやぁそれほどでも」
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Reimu
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#0@12 「ってさあ、あんた。
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#0@13 山の神様が何か企んでいるみたいだったから
潜入取材したんじゃなくて?
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#0@14 その記事をどうしたのよ」
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Aya
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#0@15 「ああ、その事ですか。
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#0@16 あれはよく纏まらなかったので没です」
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Reimu
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#0@17 「ああん?
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#0@18 それじゃあ、私が地底に潜った意味が無いじゃん」
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Reimu
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#0@19 「で?
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#0@20 貴方に核融合の力を与えた神様ってどんな奴だった?」
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Utsuho
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#0@21 「もう忘れちゃったなぁ」
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Reimu
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#0@22 「この鳥頭め。目的について何か言ってなかった?
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#0@23 って、何で私がこんな事をしないといけないのよ。
わざわざ地底まで降りて」
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Aya
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#0@24 「取材は記事にする為に必要な事です。さあさあ」
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Reimu
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#0@25 「あんたがちゃんとやらないから私が代わりにやる羽目に
なっているだけでしょ?」
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Utsuho
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#0@26 「あ、そういえばこの力はあくまで平和的利用の為だとか
なんとか言ってた様な」
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Reimu
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#0@27 「平和的利用?」
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Utsuho
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#0@28 「核融合エネルギーはお湯湧かすのに便利だし、
何よりゴミが出ないからクリーン」
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Reimu
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#0@29 「平和的利用って……やっぱりアレよね」
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Aya
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#0@30 「アレですか?」
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Reimu
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#0@31 「やっぱり温泉って事よね。温泉」
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Utsuho
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#0@32 「温泉も簡単に調節出来るよ。
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#0@33 まあ、ちょっと加減しないとすぐに水蒸気になって
爆発するけど」
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Aya
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#0@34 「そこまで行くと温泉の域を超えて火山の様な気も」
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Reimu
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#0@35 「これで決まりよ!
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#0@36 山の神様は温泉が欲しくてこいつに力を与えたんだわ」
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Aya
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#0@37 「そうですね。それではそんな内容で新聞にしますか」
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Utsuho
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#0@38 「そんな憶測だけの新聞、
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#0@39 誰が読むのかなぁ」
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#0@40 結局、今回の出来事は『図説! 温泉好きな山の神と間欠泉』
というタイトルで記事が纏められた。
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#0@41 山の神様と言ったら、今は二人しか思いつかない。
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#0@42 蛇(八坂神奈子)と蛙(洩矢諏訪子)である。
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#0@43 この二人の神様が何かを企んでるのだろうか?
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#0@44 ほとぼりが冷めたら再び山に向かって見たいと思った。
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#0@45 Ending No.03 ニュークリア温泉
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#0@46 オールクリアおめでとう! 流石だね!
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