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#0@0 山の上にある守矢神社。
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#0@1 麓では桜も咲く頃であったが、山の上にはまだ雪が残り寒い。
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#0@2 雪が無くても、ここまで登ってくる人間は僅かであった。
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Kanako
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#0@3 「大変だったみたいね。
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#0@4 妖怪退治のお仕事」
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Sanae
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#0@5 「ええ本当に大変でした。
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#0@6 最初は船を追っていただけだったんですが、気が付いたら
もう戻れない世界にまで連れて行かれまして」
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Sanae
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#0@7 「で、そこに居た人間に頼んで何とか戻ってきました」
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Kanako
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#0@8 「ふーん。
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#0@9 で、その代償がこれって訳?」
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Kanako
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#0@10 「『命蓮寺建立のお願い 求む土木作業員』」
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Sanae
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#0@11 「いやまあ、その代わりお寺を建てたいって言うので
その手伝いをして欲しいと。
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#0@12 ほら、神奈子様も諏訪子様もその手のは得意だって」
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Kanako
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#0@13 「ただ、船に乗せて貰うだけで随分と高く付いたのね」
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Sanae
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#0@14 「だって、帰る手段が無かったんですもん」
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Kanako
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#0@15 「どうも、その、なんて言ったっけ?」
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Sanae
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#0@16 「白蓮です。聖白蓮」
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Kanako
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#0@17 「胡散臭いわ」
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Kanako
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#0@18 「長い間、封印されていたって言うのに、封印が解けて
最初にやることが、お寺の建立だなんて」
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Sanae
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#0@19 「そういえばそうですね。
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#0@20 魔界から戻る事ばかり考えていて、忘れてました」
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Kanako
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#0@21 「いいわ、その仕事引き受けて見ましょう。
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#0@22 そこでその白蓮がどういう奴なのか見切るわ」
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Sanae
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#0@23 「よろしくお願いします」
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Kanako
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#0@24 「貴方も手伝うのよ」
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Sanae
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#0@25 「えー、力仕事はちょっと……」
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#0@26 命蓮寺建立は諏訪子と神奈子の手によって行われた。
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#0@27 お寺はあっという間に完成した。というか、諏訪子が大地をなら
したところに空を飛ぶ船が下りてきて、それでほぼ完成だった。
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#0@28 神奈子は白蓮とその周りの妖怪達をじっと観察していた。
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#0@29 白蓮は妖怪達に慕われていた。
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#0@30 神奈子は「こんなお寺を建てるような僧侶が妖怪に……?」と
不思議に思った。
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#0@31 白蓮は嘘偽りなく、歯に衣着せぬ言葉で妖怪や人間と接していた。
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#0@32 白蓮はそんな訝しむ神奈子の方を見ると、深く礼をした。
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#0@33 「貴方がこの山の神様ですね? 姿を見ただけで判ります」
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#0@34 そう言うと、白蓮は身の上話を始めた。
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#0@35 何処で生まれ、
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#0@36 どのような生活を送り、
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#0@37 そして何故封印されたのか。
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#0@38 白蓮の言葉に一切の嘘は感じられなかった。
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#0@39 「この僧侶、ただ者ではない」
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#0@40 神奈子は、より警戒が必要だと感じた。
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#0@41
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#0@41 Ending No.05 いや、白蓮はいい人なんです
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#0@42 オールクリアおめでとう! 流石だね!
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#0@0 空を飛ぶ船、聖輦船。
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#0@1 宝船でも何でもなく、どうやら普通に空を飛んでいるだけの船
だったらしい。
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#0@2 たまには空を飛ぶのも気持ちが良いだろう。
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Suwako
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#0@3 「へー、空飛ぶ船も気持ちが良いわね」
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Byakuren
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#0@4 「驚かないんですね」
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Suwako
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#0@5 「そりゃまあね。今更UFOの一つや二つ」
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Byakuren
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#0@6 「UFO?」
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Suwako
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#0@7 「こういうのをUFOって呼ぶんだ。
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#0@8 私達の間じゃ」
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Byakuren
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#0@9 「そうなんですか」
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Suwako
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#0@10 「未確認飛行物体、って事だね」
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Suwako
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#0@11 「で、この船は判ったが、小さなUFOは一体何なの?」
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Byakuren
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#0@12 「小さなUFO……未確認飛行物体ですか?
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#0@13 それって、飛倉の破片の事でしょうか?」
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Sanae
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#0@14 「捕まえました!」
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Suwako
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#0@15 「ご苦労さん。ほら、アレだよアレ。
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#0@16 どう見ても倉の破片には見えないんだけどねぇ」
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Byakuren
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#0@17 「そうですか?
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#0@18 確かにボロボロになってますが、昔は木造の倉だったのです」
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Suwako
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#0@19 「え? 木造? アレが?」
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Sanae
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#0@20 「触った感じは木造っぽいですが……」
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Suwako
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#0@21 「円盤形の倉だなんて、随分前衛的だったのね」
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Byakuren
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#0@22 「え? 円盤形?
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#0@23 いや、普通の地味な倉でしょう? もう古いかしら?」
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Sanae
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#0@24 「え?」
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Suwako
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#0@24 「え?」
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Byakuren
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#0@25 「え? 何か驚くような事を言ったかな?」
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#0@26 最後まで三人の会話がかみ合うことはなかった。
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#0@27 早苗の報告を聞いた諏訪子は、一つ重大な謎を残したままだと
思い、この船に乗り込んだのだ。
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#0@28 その謎とは、円盤形のUFOである。
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#0@29 どうもこれが倉だとは思えない。
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#0@30 諏訪子は、白蓮たちがまだ何かを隠していると考えた。
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#0@31 しかし、それは間違いであった。
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#0@32 実は白蓮達には、空飛ぶ木片が円盤形UFOには見えていなかっ
たのだ。
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#0@33 早苗が捕まえてきたUFOもただの古い木片に見えていた。
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#0@34 だから、話がうまくかみ合わなかったのだ。
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#0@35 早苗と諏訪子は最後までその事実に気付くことなく、消化不良
のまま船を後にする。
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#0@36 二人は白蓮の時代の倉は円盤形だったと言う事で納得した。
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#0@37 Ending No.06 UFOの犯人は別?
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#0@38 オールクリアおめでとう! 流石だね!
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